横たわるルルーシュを腿に乗せ、C.C.は彼の頬を撫でていた。
「…は、結局甘さが捨てられなかったな。俺は」
自嘲気味に哂うルルーシュの手を強く握り、C.C.は無言で俯く。
「……C.C.済まない。お前の願いは叶えてやれそうに無い」
ルルーシュは一つ咳をしたあとに、静かに目を閉じる。
「いや、私の願いは叶うよ」
そう言って、C.C.はそっとルルーシュの唇に、自分の唇を重ねた。ただ唇を重ねるだけの、血の味のキス。
「……C.C.」
「契約しただろう?私だけは、お前のそばに居ると」
耳元で囁いた後、ルルーシュの顔を胸に抱き上げる。
「……C.C.、お前は嘘つきだ」
「…?」
「俺は、孤独じゃない…お前がいるから」
「当然だ、お前は王じゃないんだから」
「……全く、お前はどうかしてるよ」
「…私は、C.C.、だからな」
ルルーシュの手がC.C.の頬に触れる。もう、その腕に力は無い。C.C.がその手を握り返そうとしたときに、ストンと抜け落ちる。ルルーシュは既に瞑目していた。C.C.の腿の上から力が抜けていく。ルルーシュは終わった。
そしてC.C.も、既に冷たくなりつつある、ルルーシュの頬に口をつけて、その意識を眠りに付かせていった。