「ぁ…はぁ…っ」

生徒会室のドアの前で座り込み、背中を押し付けてキスをする。誰が入ってくるかわからないこの状況。それでも互いに耳を塞いで他界の音を遮断し、夢中で繰り返す。
ルルーシュの指にカレンの髪が一筋絡みついている。細かく震えるカレンの身体に力は無く、ほとんどされるが儘深い口付けに応えていた。荒い息の間に漏れる濡れた声。それを聞きながらルルーシュの眸が細められていく。
入り込んで胸を焼く馨りに酔いながら、もっと酷い事をしたくなる。残酷さ、そんなモノに似た感情が湧き上がるのを抑えられなかった。緩んだ行為に開かれたカレンの瞳。交わる視線。
ルルーシュはその奥に一欠けらの恐怖を見つけた。思わず口が歪む。

「…怖いのか?カレン」

「だ、誰が…ぁ」

カレンが言い終わらないうちに、割り込ませた膝を押し付けると、彼女の意思が飲まれるように埋もれていくのが判った。

彼女を壊す。

自分の気持ち一つでそれは可能だった。先程よりも優しく唇をつけて考える。
ルルーシュの線は細い。まるで女性のように。それでいて柔軟さがあり、力強さがある。それでもカレンの力なら振りほどく事も可能だったが、出来なかった。ルルーシュは僅かに跳ねるカレンの身体を押さえながら、自分よりもやや背の低い彼女に被さるようにしてキスをする。
カレンが僅かな呻きをあげたが、無視して彼女の口膣を貪る。その声さえも、ルルーシュを行為に没頭させる、忘却させる、溺れさせていく。
思わず上を向いた白い喉を抱くように撫でた。愛撫するようにキスをした。

繰り返す。ただ行為を繰り返す。

夢中になり没頭するルルーシュをカレンは止めなかった。ただ時間が流れるままに心を傾ける。どれぐらい時間が経ったのか、唇を離したルルーシュの顔は紅潮しており、息はすっかり切れていた。その顔を抱きしめる。まだ余韻の残る呆けた身体で、ルルーシュの顔を胸に抱いた。
やがて、力が抜けたようにカレンに寄りかかるルルーシュ。カレンも身に流れる心地の良いだるさに意識を溶かしていった。

気持ちが良い…

ルルーシュはカレンに身を任せて瞳を閉じる。薄っすらと汗ばんだ髪が額に纏わりつく。だが、それには構わずに意識を瞑る。瞬間、カレンの香りがルルーシュを包み込んでいく。ルルーシュはその心地良さに意識を乗せて眠った。

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