今日は、ルルーシュが泊まりに来ていた。もう10時を回り、ルルーシュは眠たい眠たいと、うとうとと首を上下左右に揺らしている。コーネリアは可愛くて可愛くて内心抱きしめたい気持ちを抑えながら、その様子を微笑ましく眺めていた。
ルルーシュの代わりに、ユーフェミアがアリエス宮にお泊りに出かけていた。ルルーシュお泊りとはしゃいでいた彼女。一体どんな心持ちでこの夜を過ごしているのだろうか?

卑怯と罵るかユフィ?だが、恋とは誇りと愛の奪い合いだ……

先に寝たくないとまどろむルルーシュの頭を撫でながら、コーネリアはベッドの端に腰を掛けて笑っていた。

……此処でキスをしたら、ルルはどんな反応を見せるだろうか?

ふと湧き出た発想を、首を振りつつ否定する。こういう事はあまり気軽にするべきことじゃない。相手はまだ子供だ。自分が積極的に動く事で、傷つく事があるかもしれない。

今はこのままで良い。今はまだ。今のまま、こういう時間を大切にするのも、また良いと思う。
私の、この想い。伝える事は無いかもしれないけれど…でも、今は、今だけは、彼は私の傍に居てくれる。

一生傍に居て欲しいなんて、言えない。だって、それは……駄目だ。考えてはいけない。思ってはいけない。
友人として、姉として、今のまま。それが出来なくなったとき、彼は私の前から消えてしまうのだろう。もしかしたら、私が彼の前から消えるのかもしれない。「ずっと」一緒に居られるなんて、無い。

……この日常が、一秒でも続きますように。

心の其処で強く願い。既に寝息をたてるルルーシュの横で瞳を閉じ、意識を傾ける。
電気を消して、布団からはみ出しているルルーシュの手をそっと優しく握った。その手は暖かくて、コーネリアを眠りの縁に立たせていく。

「おやすみ…ルル」

そっと彼の頬に唇をつけて、コーネリアは眠りについた。

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