こんこん

外では静かに雨が降り続いている。今日はルルーシュと一緒に遊ぼうと思っていたのに。

こんこん

静かな音を立て、雨が降り続ける。静かに。ただ静かに。室内にいると気が付かないほどの小さな雨。空に浮かぶのは曇空。昼でありながら暗く、その世界は心を重くする。

こんこんこん

雨が落ちて行く、私の心も一緒に落ちて行く。

ごんごんごん

「……?」

気持ちが落ち着いて来た時に、初めてそれに気が付いた。雨の音とは別に、何やら変な音が私の意識を叩いている。耳を澄ますと、それは一箇所。ユーフェミアの部屋の窓から聞こえてくる。

ごんごんごんごん

私は慌ててカーテンを開く。瞬間、落ちかけた心が浮上していく、思い浮かべていた顔。私は大慌てで窓を開いて、その姿を招き入れた。

「ルルーシュ!?」

「……何してたんだ。ずっと待ってたのに」

「何…って」

何だか、笑って言葉に出来ない。ずっと頬が緩んでしまっている。ルルーシュは傘を差したまま、怪訝そうな表情で私を馬鹿にした。
窓の外にはまだ静かな雨が降り注いでいる。部屋の中には私とルルーシュの笑い声が響いている。窓の外にはまだ静かな雨が降り注いでいる。私はその空に向かって笑顔を向けた。

「…ユフィ?」

私の横でルルーシュがまた怪訝そうな表情を浮かべている。私はそんなルルーシュにウィンクを一つ投げてあげる。
例え雨でも嵐でも、貴方が居るのなら何処だって私の心は晴れる―――

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