至福の一時に身をゆだね、身体も心も悦びに溺れてる中に。
一欠けらの理性が私の思考を醒めさせる。
私は何がしたいのか。
幼い頃に抱いていた、淡い想いが脳裏に浮かぶ。
私は……
「…ユフィ、何、考えてる?」
拙い思考は、彼の囁きで霧散していく。
答えようにも、口から漏れるのは甘い吐息と、擦れた喘ぎ。
身体の芯から響く刺激に、意識が溶けて何も分からなくなっていく。
それが怖くて、彼の背中に爪を立てた。
彼の唇が、次々と私の身体に痕をつけていく。
首、肩、胸へと。
今のこの時間が存在している証のように。
狂いそうになるぐらいに激しい刺激と、自分のモノと疑ってしまうような甘艶な声。
腕も顔も押えつけられ、ただ彼のサディスティックな哂いを見ながら鳴いている。
それすらも、甘い快感になってしまうほど溺れてしまった。
「ユフィ…今は、何も、考えるな」
彼の曇った声を聞きながら、私の身体は上り詰めていく。
だけど、意識は深く沈んでいく。
想いと葛藤の海、情熱と快楽の淵へと…
夜という夢の中、朝という現が来るまで、私とルルーシュは獣のようにお互いの身体を貪りつくしていた。